看護師が働く職場では、有給休暇を取得しやすい病院、申請しにくい病院など環境はさまざまですが、とある調査では有給休暇を希望通り取れている看護師は全体の19.8%という結果が出ています。反対に、有給休暇をまったく取れていない看護師は12.3%と、10人に1人以上が有給休暇を取得できていないようです。
有給休暇をあまり取れていない看護師と、まったく取れていない看護師を合わせると約40%と、多くの看護師が有給休暇をとれていないと感じていることになります。

労働基準法第39条で有給休暇の取得が法的に定められていますが、現実には1年間の有給休暇取得日数が9日未満の看護師は57.3%になります。有給休暇の日数は勤務年数によっても異なりますが、多くの看護師が全日消化できていません。しかしながら、有給休暇の取得は勤務先の病院に影響されるため、「有給休暇を思い通りに取れている」「全日消化できている」といった職場があるのも事実です。
また、別の調査でも有給休暇を付与された休暇日数の平均18.5日に対し、実際に有給休暇を取得した日数は8.5日と、約半数が有給休暇を消化できていないことになります。

看護師と同じように、宿泊業や飲食サービス業に従事している人の有給休暇の取得率も低いようです。有給休暇を取得しやすい環境をつくるだけでなく、病院によって異なっている有給休暇の取得に関する考えを法に則って統一していく必要があります。